2007年03月10日

第2回 古書現世から学下コーヒーへ

※この日に歩いた道の地図はこちら↓
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平日の午後2時、早稲田古書店街には、学生、サラリーマン、買い物途中の主婦、散歩中のお年寄りなど、実にいろいろな人が行き交っている。“古書店街”というと、特別なイメージで見てしまいがちだが、早稲田は、街行く人の姿が、普通の商店街とあまり変わらない印象を持っている。もちろん古本屋はたくさんあるのだが、こちらを緊張させない空気がある。
古書現世の並び、早稲田通りに面した角に、子育地蔵尊がある。敷地の入り口に、「ねがいがかなうお地蔵さま」という看板が出ている。お堂の方を見ると、背広姿の30代ぐらいの男性が、カラン、と鈴を鳴らして手を合わせている。それじゃ私もひとつ、と、財布を探るとちょうど5円玉が1枚あったので、背広氏と入れ変わってお参りをした。今年の願い事といえば、まずは商売繁盛、ついで無病息災。人とのご縁がたくさんありますように。

早稲田通りに戻り、商店街を歩きはじめた時、あっ!と気がついたのは、古書店街のある「西早稲田商店会」のマークは、本ではなく子育地蔵だ、ということだった。

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▲子育地蔵尊

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▲商店会の旗

早稲田通りを高田馬場方面へ。明治通りを越え、少し歩くと左手に「早稲田松竹」という名画座映画館がある。“豪華ラインアップ”と書かれた看板によると、3月10日(土)〜16日(金)は、ウッディ・アレンの『マンハッタン』『アニー・ホール』の2本立て。入り口の「只今、お席ございます」の表示に思わずチケットを買いそうになる。

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▲早稲田松竹

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▲豪華ラインアップ

JR高田馬場駅に近づくにつれ、急激に居酒屋、パチンコ屋、カラオケボックス、携帯電話ショップ、金券ショップなどが密集しはじめ、看板、電線、車、自転車、人で目がチカチカしてくる。繁華街の雑踏がどうにも苦手で、あわてて適当な横道に逃げ込む。

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▲識別不能

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▲高田馬場の裏通り

裏通りから、さらに路地の奥へ。早稲田通りのすぐ裏には、ひっそりと1Kアパート群がある。入り組んだ路地の両側に、2階建ての古いアパートがいくつもいくつも建っていて、しかしほとんど人の気配がない。今時の学生もこういうところを借りるのだろうか。猫の鳴き声が聞こえた。道の向こうから、大きく独り言をいいながら労務者風のおじさんが歩いてくる。「わっからねぇなぁ!ぜんぜんわかんねぇ」といいながら、あちこち見回して、誰かの家を探している。ちょっと様子が面白いので観察していたら、目が合ってしまった。

「あんた、この辺の人?」
「いえ、ちがいます」
「わかんねぇよなぁー。まいっちゃうなぁー」

おじさんと私以外、他に誰もいない。

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▲全室エアコン完備

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▲視線の先に

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▲ゆれる股引

路地を歩いて少し落ち着いたので、一気に高田馬場駅前、ビッグボックスへ。このビルのエントランスで、早稲田の古書店が参加する古本市が毎月行われている。場所柄、待ち合わせや、電車の乗り換えついでに本を覗いていく人の姿が目立つ。

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▲ビッグボックス

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▲古書感謝市全景

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▲棚の様子

早稲田通りを逆戻りして、明治通りの手前で左に折れ、再び路地を拾って歩く。神田川へ下りていく坂道が階段として整備されていて、車止めの柱の先端にフクロウの銅像がついていた。池袋でもあるまいに、なぜここにフクロウなのか。意味はないのかもしれない。金属窃盗団に盗まれませんように。頭をなでる。

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▲フクロウのいる階段

階段を降り、先へ進むと、明治通りと新目白通りが交差する高戸橋。この交差点で、大塚から専用軌道を走ってきた都電が再び一般道に出てくる。

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▲車と併走する都電

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▲高戸橋から池袋方面の眺め(奥はサンシャイン60ビル)

明治通りを池袋方面へ。神田川を越えて数十メートル先、左手に「学下(がくした)コーヒー」という喫茶店がある。「学下」とは、「学習院下」の略。店のすぐ前に都電荒川線・学習院下駅があるのだ。私の店にお客さんとして来る学生達から、何度も「学下コーヒーはいいですよ。行ってみてください」と勧められていた店だ。
店名から、勝手にオジサンっぽい店を想像していたが、来てびっくり、モダンでおしゃれな店なのだった。残念ながら私はコーヒーが飲めないので、ホットミルクとチョコレートケーキのセット(780円)を注文。席に座っていても、窓から都電が行き来するのが見える。入り口のドアと、その両側にある小窓が、なにかに似ているな、と思ったら、都電の形だ。若い店主さんに尋ねると、本当に都電を模してあるのだという。

カウンターの上には書棚が設えられ、冊数は多くないが本が置いてある。目についたのは、瀧口修造、武満徹、アート、ジャズ、海外文学など。店内で自由に読むことができる。

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▲学下コーヒー

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▲看板もおしゃれ

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▲ケーキセット、美味

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▲店内の書棚

このあと学習院下を抜けて目白へと歩きます。
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