2007年08月10日

第7回 戸塚市場から目白台へ

※この日に歩いた道の地図はこちら↓
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早稲田通りの500メートルほどの区間におよそ30軒の古書店が集
まっているのだが、店と店の間隔が密集しすぎず離れすぎず、そして古
書店の合間に金物屋、スーパー、古着屋、家具屋、カフェ、定食屋な
ど、実にさまざまな店が営業している。その雑多な感じが、気忙しくも
あり、楽しくもある。うっかり歩いていると、目当ての古書店を通り過
ぎてしまうこともあるぐらいだ。一度ゆっくり端から端まで古書店街を
歩きたいと思いながら、今日も、結局時間に追われてせかせかと動き回
ることになった。
戸塚市場から早稲田通りに出て早稲田方面に歩く。ウィズ25鶴本書店の店頭均一と、店内で各1冊ずつ。道路の反対側へ渡って、いこい書房店内で3冊(取材中なのを忘れている)。
均一本を入れてある台が、どの店もがっしりとした造りのワゴンで、鉄製の足に木の箱がのっている。古本屋ならではの什器に感心する。

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▲古書店街のある早稲田通り

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▲葬儀社とラーメン屋に挟まれた虹書店

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▲年期の入った均一台


これ以上本を買うと写真が撮りづらいので、できるだけ店頭を見ないようにしながら、わめぞメンバーである立石書店に向かう。早稲田で一番新しいこの店は、2006年暮れに葛飾区立石から移転。以降、店主の岡島さんには何かとお世話になっている。立石書店の店内には、先日行われたイベント「ウィークエンド・ワセダ」から継続して、南陀楼綾繁氏の古本けものみち、退屈文庫、リコシェの本・雑貨と共に、旅猫雑貨店のコーナーも設けていただいた。ブックカバー、紙風船など販売中。
みなさま何卒よろしくお願いいたします。

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▲立石書店

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▲ぜひ覗いてください


高田馬場方面へ少し戻り、西早稲田交差点そばにある銭湯「松の湯」を眺めていたら、午後3時から営業、と張り紙が。時計を見るとちょうど3時過ぎだったので、手ぶらで入ることに。
フロント形式の番台にて、1回分のボディソープとシャンプー、タオルを購入、入浴料と合わせて790円也。バスタオルのレンタルサービス(200円)もあった。私
のように発作的に来る人が多いのか、大きなガラスケースの中にはTシャツや下着(女性用パンツも)、靴下などを数種類ずつ並べて販売していた。

破風造りの銭湯は久しぶりで、高い天井、脱衣カゴが健在。正面に丹頂鶴を描いたモザイクタイルの壁画がある。明るい時間の銭湯は気分がいい。湯船は温度高め、温度低め、ボディマッサージ、水風呂の4つに分かれていて、高い方の湯の温度計は46度を差していた。熱い湯が好きなのでこれはうれしい。水風呂はちょうど人ひとりが仰向けに寝て浮かぶのにぴったりサイズで、腰壁に囲まれて周囲から見えないのをいいことに、頭まで浸けてぷかぷか浮かんできた。お陰で汗もすっかり引き、しばらくいい心持ちで歩けた。

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▲松の湯、おすすめ!


西早稲田の交差点から新目白通りへ降りていく坂の左手に、水稲荷神社がある。急な階段を上がると、100メートルほどもある長い参道となり、すぐ左手に石碑が立っている。赤穂義士になる前の堀部安兵衛が、義理の叔父のために助太刀をした決闘の場所で、その武功を記念する碑として建立されたもの。

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▲堀部安兵衛之碑


参道を進んで水稲荷神社へ。お稲荷さんなので、立派な本殿の前に狛犬ではなく狐が並んでいる。本殿の裏へ回ると、2メートルほどの築山に小さな祠と鳥居がたくさん並んでいて「富塚古墳」とある。Webサイトで検索すると、ここに本当に古墳(前方後円墳)があったらしい。「戸塚」の名前の由来とも言われている。こういうミステリーめいたテーマを夏休みの自由研究にしたら楽しいかもしれない。気がついた
ら足をひどく蚊に刺されていた。5カ所。

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▲小さな祠がたくさん

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▲狐も飛びます


水稲荷神社の参道には甘泉園公園への入口がある。甘泉園は、江戸中期に徳川御三卿の一つ、清水家の下屋敷がおかれたところ。園内に湧き水があり、この水が茶に適したという。広くはないけれど、傾斜地を活かした小さな滝や高低差のある庭の造りが楽しめる。湧き水をひいた池には鯉や亀が泳いでいる。近所の子どもたちが網で小魚、エビをつかまえて遊んでいた。管理人のおじさんの目を盗んで、源泉のある小山によじ登ってみた。現在の水量は少ないようだった。とても飲んでみる気はおきなかった。蚊に刺された数:3カ所。

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▲湧き水の源泉

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▲スッポン!

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▲子どもたちの獲物


甘泉園公園を出るとすぐに新目白通り。都電荒川線の終点、早稲田停留 所へ向かう。1両だけの都電はここで折り返してまた三ノ輪方面へと向かう。

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▲終点、早稲田


神田川へ。川下に向かって大きく蛇行していく。体長80センチはありそうな赤金色の鯉が悠々と泳いでいたが、ふいと向きを変えたと思うと、深みに沈んでいって見えなくなった。

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▲駒塚橋からの眺め

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▲鯉


駒塚橋の脇に水神社(すいじんじゃ)がある。近くに神田上水の堰(せき)があり、その守護神として水神を奉った。
「上水の恩恵にあずかった神田、日本橋方面の人たちの参詣が多かったといわれる。また、このあたりは田園地帯で、清らかな神田上水が流れ、前には早稲田田んぼが広がり、後には目白台の椿山を控え、西には富士の姿も美しく眺められて、江戸時代は行楽の地であった」(文京区教育委員会の掲示解説より)

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▲水神社

水神社の高台からの眺めは、今はほとんどビルに遮られているが、境内に生えている2本の大イチョウの間から神田川が見える。このイチョウは第二の鳥居の役目を果たしていて、非常に神秘的だ。蚊に刺された数:7カ所。

水神社横の胸突坂を登ろうと境内を出たところで、不思議な人形のようなものを持ったおじさんと出くわした。なにかの仕掛けで、おじさんがそのおもちゃの手足を動かしているように見えた。

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▲靴を履いた人形みたいなもの

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▲地面に置きました

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▲動いてるよ!

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▲体長50cmはあろうかという

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▲こっちに向かってきた(匂いかがれました)

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▲靴脱げちゃった


というわけで、おじさんが持っていた人形のようなものは、巨大なリクガメだった。種類はよくわからないけれど(蟲文庫の田中さん、わかったら教えてください)、年は10歳。いつもこうして散歩してるとのこと。写真撮ってもいいよ、とおっしゃっていただいた。
名前を尋ねたら、ひどく小声で「なまえ?……リク……」と言ったか、「……リック……」と言ったか、「……リッキー……」と言ったのか、聞き取れず。あまり教えたくないみたいでそれ以上聞くことができなかった。手作りと思われる靴は、革とニットみたいな素材でできていて、足首(あるのかいな)のところをマジックテープで留めるようになっていた。
亀がおじさんと逆の方に行きたがるので「家に帰りたいのかな」と言ったら、「今日は歩く距離が短かったから、もっと歩きたいって言ってるんだよ。家は反対だから。帰りたくないんじゃない」とのこと。犬みたい。

このあと目白台の永青文庫や和敬塾まで歩いたのだが、この散歩するリクガメのことで頭も胸もいっぱいになってしまったので続きはまた次回……
夏のわめぞ散歩には、くれぐれも虫避けスプレーをお忘れなく。
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