2007年11月10日

第9回 目白台から千登世橋へ

※この日に歩いた道の地図はこちら↓
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今年の夏頃から、目白・雑司が谷界隈で野生動物のハクビシンやタヌキ が多数目撃されている。大学や庭園・公園、墓地など、広くて緑豊かな場所が多いのは確かだが、はたしてこの界隈に限ったことなのか、それとも都内全体で密かに大繁殖しているのか。とにかく、目白・雑司が谷界隈に限っていえば、複数のハクビシンと、複数のタヌキの一家が日夜蠢いているらしいのだ。
ご近所の方の説によると、目白台にある故・田中角栄元首相の邸が、広大な敷地の一部を売り払って木を切り倒し、重機を使って更地にしたので、あそこからタヌキやらハクビシンが逃げてきたのではないか、という。(定かではないが。)どうなのでしょうか、真紀子さん。
そんなわけで、目白台では頭上に注意しながら歩くようになった。ハクビシンは 電線を伝って移動するのだ。

月の湯から目白通りに戻ると、正面に和敬塾がある。女子寮というのはよく見かけるが、この和敬塾は男子大学生専用の学生寮なのである。村上春樹も学生時代の一時期をここで過ごし、『ノルウェイの森』で主人公が暮らす寮は、この和敬塾がモデルだと言われている。
前回紹介した歴代細川家の所蔵品を展示する永青文庫に隣接し、ここ和敬塾も旧細川公爵邸。敷地は7000坪もあるという。建物を森が囲み、タヌキも喜ぶ環境なり。

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▲和敬塾正門から

◎和敬塾ホームページ
http://www.wakei.org/index.htm


和敬塾の西側を、再び神田川の方へと降りていく。この坂道は幽霊坂とよばれ、以前は両側に高い塀があり鬱蒼とした樹木が覆いかぶさって、昼間でも街灯が点されているほど薄暗い道だった。しかし今回通ってみると、片側の塀が取り壊され、明るい日差しが差し込んでずいぶん様子が変わっていた。お化け屋敷的なスリルを楽しめる坂だったのに、少し拍子抜けしてしまう。坂下にあるポリスボックスはいつ見ても不在で、田中角栄首相時代の名残りなのかもしれない。

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▲2004年の幽霊坂

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▲怖いけど風情があった

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▲現在の幽霊坂

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▲坂の上り口にあるポリスボックス


再び坂を上がって目白通りに戻る。日本女子大学の敷地の中にも、タヌキの一家が住み着いているという。不忍通りを、タヌキと一緒に信号を渡ったという人から話を聞いた。近くの学習院大学にも別のタヌキ一家がいるというから、タヌキがいるのは名門の証?日本女子大学では塀の上をハクビシンが歩いているところも目撃されている。

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▲日本女子大のレンガ塀


不忍ブックストリートでおなじみの不忍(しのばず)通りは、上野不忍池を始点とし、目白通りに突きあたって終点となる。その終点に「鳳山(ホーザン)酒店」と「写真の家」という古い商店が並んでいて、ここだけ大正〜昭和初期の風情。その2つの商店の間を入っていくとY字路になり、右が富士見坂、左が日無坂という。角度としては日無坂の方が急だが、階段状になっていて、“車が通れる坂”と限定すると、富士見坂が東京で最も急なのだという。

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▲鳳山酒店

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▲写真の家

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▲Y字

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▲富士見坂

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▲日無坂


富士見坂を下りずに、目白通りをさらに西へ。徒歩5分ほどで明治通りと立体交差する千登世橋。その1本手前に、東京で2番目に急な坂と言われるのぞき坂がある。厳密な角度では富士見坂の方が急なのかもしれないが、個人的には、道幅、長さ、周辺の見通しの良さも手伝って、のぞき坂の方が「東京で一番の急坂」にふさわしいと思っている。坂の上に立つと、スキー場の上級者コースから滑り降りるようなドキドキ感を味わう。坂下からの眺めはまさしく「壁」だ。のぞき坂を見ずして坂を語るべからず。

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▲のぞき坂


都電荒川線の学習院下駅の方から回り込んで、千登世橋を下から眺める。昭和7年に架設されたヒンジアーチ橋(平成2年に整備・修景)で、「東京都の著名橋」に指定されている。車が往来する明治通りに架かる橋が「千登世橋」、続いて都電の線路上に架かっているのが「千登世小橋」。名前の違う2つの橋がつながっている。地元の人でも1つの橋だと思っている人が多い。

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▲千登世橋(下から)

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▲千登世橋

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▲千登世小橋

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▲千登世小橋をくぐる都電


2008年6月にはこの橋の下を地下鉄13号線が開通、同時に池袋サンシャイン60あたりから千登世橋までつながる道路も完成する予定だ。開通したあとこの界隈がどう変化するのか、まだあまり想像がつかないが、新しい道路のそばには、ビルやマンションが林立するだろうし、タヌキの一家や、電線の上をのんびり移動するハクビシンにとっては、またまた居場所を追われ、住みにくくなることは間違いないと思う。

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▲地下鉄と道路を同時建設中
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